3D PRINT SERVICE by DOHO(3)

3Dデータ設計

3D事業ファクトリーは、金属3Dプリンタと付帯設備を完備
豊富な経験を持つスタッフが設計・造形から最終仕上げまで対応
今回は3D造形の流れの中の「設計」工程をご紹介

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3D造形の流れ


01.設計

設計.jpg

※関連設備
3Dプリンタ用データ準備ソフト、スライスソフト

製品データを確認、造形用のデータに加工
スライスデータを作成

02.準備

準備

※関連設備
真空乾燥機、パウダーモジュール

材料の湿気を除去、装置へ投入
造形基盤をセットし、システムでスライスデータを読み込む

03.造形

造形

※関連設備
金属3Dプリンタ

造形開始

04.後処理

※関連設備
熱処理炉、BAOMA社製ワイヤーカット

内部応力を除去するための熱処理を行う製品を基盤から切り離す

データ準備


3Dプリンタで造形を行うには、3Dデータが必要です。
一般的な造形サービスでは、ご依頼主からの3Dデータ提供が前提ですが、3Dデータが無い場合でも、
弊社にて2次元図面からのデータ作成、及び3Dスキャンでのデータ作成を行うことが可能です。

3Dデータ(STEP、STL)

3Dデータを受領後、データの整合性を確認、3DCADソフトに出力。

切削加工用の3Dデータの場合は、自由曲線等3Dプリンタに適したデータに修正

2Dデータ(2次元図面)

受領した2次元図面を参照し、サイズや図形等の情報をミリ単位で3DCADソフトへ入力。

完成イメージのヒアリングを行った上で正確な3Dデータを作成します。

3Dスキャン

データが全く無い場合、高精度3Dスキャナーを使用し、受領したサンプルをスキャン。

内部構造等を再現するため、3Dスキャナー付属ソフトにてデータ修正後、3Dデータ化。

3Dデータ作成後は、3DCADソフトにて造形姿勢の検討や2次処理に合わせた寸法調整を行い、サポートを設計。
その後、スライスソフトにて、スライスデータを作成します。

ドローンプロペラ製作の事例


大阪工業大学システムデザイン研究室からのご依頼である
「ドローンプロペラ製作」に関する事例を用いて、
3Dスキャンを利用したデータ作成の流れをご紹介します!

建物の火災現場を飛行させることを想定し、
既存のカーボン製プロペラを金属製(アルミ)にすることで、
耐熱性の実験を行うことが目的。

既製品の図面が手に入らないため、
3Dスキャンでのデータ作成をご希望。

ドローンプロペラ製作
※3D造形後のアルミ製ドローンプロペラ

3Dスキャナーの準備

まず、対象のプロペラをスキャナー内のテーブルに設置。

付属のソフトで「精密度」と「刻み角度」を設定します。
精密度は「高速」、「普通」、「高精密」の3種類から選択し、高精密になるほどスキャンに時間がかかり、刻み角度は様々な角度からの撮影回数が多いほど高精度なデータの取得が可能。

今回は、最も高精密にデータを取得したいという意図から、精密度は「高精密」、刻み角度は「12」で設定。

3Dスキャン

準備完了後は実際にスキャニング。
全自動のため、ボタン一つで内部のテーブルが回転し、先ほど設定した刻み角度の回数分、対象物に全方位から光を当てていきます。

スキャン完了後、正確なデータを取得するため、設置する方向を変え、再度同様にスキャン。

※複雑な形状の場合はさらにセット方向を変えて複数回スキャン

データの編集

データの編集

3Dスキャナー付属ソフトにて、正確なデータがとれていない箇所や粗い表面のデータを滑らかになるよう微修正。

造形後の2次加工による影響を考え、データを調整。

今回のポイントは下記の2点。
・中央の穴は、ドリルでの穴開け工程を考慮し、
 仕上がり寸法よりも小さめに作成
・仕上げに表面加工(サンドブラスト)を行うため、
 全体を少し大きく作成

完成後、3DCADソフトに出力。

3DCADソフト・スライスソフトでのデータ編集

エラー部分のデータを修復、造形姿勢を検討の上、サポートの設計を行い、スライスデータを作成。

今回、先端の細い部分はサポートが応力で曲がってしまうため、サポートを厚くし、レーザーの幅を考慮し仕上がり寸法よりも少々大きく設計。

高精度、高品質な造形品を製作するには、サポート設計が重要なポイントです!

3DCADソフト・スライスソフトでのデータ編集

サポートとは?

サポートとは、製品の土台や足場となり、造形物を支える部分のこと。

積層造形では、底面から造形物が作成されるため、せり出した部分が固化する前に崩れることを防ぐため、サポートを付ける必要があり、造形後に除去します。

サポートを最小限に抑えることで、材料費や工数の削減、造形時間の短縮に。3Dデータ作成時、造形姿勢を検討し、どのようにサポートを設計するかが重要なポイント。

スライスデータとは?

スライスデータとは、積層ピッチ(造形を積み上げていく間隔)と同じ間隔で3Dモデルを輪切りにしたデータのこと。

スライスデータ作成時、使用する材料の量や造形時間が算出され、具体的にどのように積み上がる(造形される)かをスライスソフト上でシミュレートすることが可能。

細かい積層であればあるほど、造形時間は長くなりますが、より高精度で再現性も向上。

潘 龍(ハン・ロン)
セールスエンジニア
Zrapid認定インストラクター

今回は、「3D造形の流れ」の中の「設計」工程をご紹介しました。

この設計工程が、コストやリードタイム、品質を左右する
非常に重要な工程となっており、豊富な経験と知識が必要です。

設計に関すること、その他造形に関すること等、
ご質問がございましたら、お気軽にお問合せください!

次回の「3D PRINT SERVICE by DOHO」では、
3Dプリンタを稼働させる前段階、「準備」工程をご紹介します。