TCTアジア2023@上海 視察レポート

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TCTは世界5ヶ国の地域(アメリカ・イギリス・中国・ドイツ・日本)で開催され、3Dプリンティング・アディティブマニュファクチャリング(AM)技術の分野では最大規模の展示会。

今回の展示会では、弊社が国内総代理店を務めるパートナー企業のZRapid社が出展するとのことで、中国の3Dプリンタ市場のマーケティングも兼ね、視察訪問してきました!

出展社数は285社、会場入口では行列が続き、入場までに約30分。ブースの規模、来場者数、活気など全てにおいて日本の展示会とは異なり、中国市場における3D技術への注目度の高さが伺えました。

大盛況のZRapidブース 

会場に入場すると、すぐ目の前にZRapidブースが。

ZRapid社は2011年に設立された3D技術関連のリーディングカンパニー。開発力と生産力を武器に、3D造形技術のグローバルイノベーターとして世界的にも評価が高い中国メーカーです。

ZRapidのイメージカラーである青を中心としたスタイリッシュなブースデザイン。​樹脂や金属、大小様々な造形サンプルが多数展示されており、奥には大型の実機が配置、階段を上って見学でき、展示会場の中でもひときわ賑わっていました!

中国における3Dプリンタ市場

ポイント① 広がりをみせる応用分野、3D技術の浸透

宇宙航空、車、軍事、民生、医療など各分野にさらに3D技術が浸透し、応用分野に広がりをみせている。
主にサンプル試作での導入が多かった従来に比べ、小ロットの量産に需要が移行、一度に複数台の導入に踏み切る企業が増加傾向にあるようです。

ポイント② ニーズの変化に対応した設備・機能の多様化

新しい分野からの顧客の流入、また要望の変化から、設備は中型から大型へ。レーザー搭載数も2、4、8、16など複雑化、多様化してきている。
需要の高まりから、パウダーメーカーが3Dプリンタ開発に参入した事例も。

ポイント③  活用が進むSLM方式
出展されている3Dプリンタの種類は、工業系で最も信頼性のあるSLM方式の3Dプリンタが中心。
市場全体においても、造形スピードが速い等新しい方式が登場しているが、造形精度の高さが評価され、SLM方式の活用が進んでいる。

出展企業は、国内メーカーがほとんどで、中国市場における国内メーカーの強さが伺えました。
最先端と言われる欧米に比べても遜色のない技術レベルに達しており、海外においても、ロシア、欧州、アジアを中心に販路を拡大しているようです。

日本における総代理店として

ZRpaid社は日本市場にも注目しており、DOHOは3年前に国内総代理店契約を締結。

今回の展示会でも、自社ブースの案内だけでなく、海外マーケティング責任者のAndy氏や技術者のQi氏と展示会全体を共同で視察。技術の総責任者でもある周董事長とソフトウェアについて打ち合わせも実施し、より深い意見交換も実現した非常に有意義な視察となりました。

潘 龍(ハン・ロン)

セールスエンジニア
ZRapid認定インストラクター